2月の異常な暖かさに慣れていた私達のからだには、3月に入ってからの寒さが身に染みました。それでも彼岸の中日あたりから少しづつ本格的な春の訪れを感じる陽気となり、そんな中私は大阪シティーアカデミーの会員の皆さんと京都の「通称寺」の数々を訪ねました。
鳴虎と呼ばれる虎の掛け軸で有名な「報恩寺」、人形寺とも言われる「宝鏡寺」、「称念寺」で飼われていた猫に助けられ、存続もあやぶまれた寺が又以前にもまして栄えたという猫寺、 他にえんま様で知られる千本えんま堂の「引接寺」、釣釘坂地蔵の「石像寺」等々です。私は少々遠方より一人で参加という事で、京都駅、もしくは京都駅前のバス停で合流することになりました。
他の会員の皆さんはJR高槻駅に集合されて京都に向かいます。朝早く家を出て電車を乗り継いでなんとか予定通り大阪駅迄来ることができました。
前もって教えて頂いていた新快速に乗りますと電車は思ったより早く、9時集合の高槻駅に15分も前に到着致しました。そこで下車すれば皆さんと一緒に京都迄何の心配もなく行くことが出来ましたのに、何故か私は「京都駅で合流」という事にこだわって、そのまま行ってしまったのでした。
京都駅は広くて改札口も正面側や裏側等、何カ所かあり、バス停のあります側から出て待っていたのですが、 会員の皆さんの姿を見つけることは出来ませんでした。私は仕方なく、次に落ち合う場所の宝鏡寺迄行って待つことにしました。 暖かい春の日差しの中、人形寺とも呼ばれる「宝鏡寺」に、女性の観光客が次々と訪ねて来られます。私が早トチリをしてあわてて先に来てしまい、三十分位経った頃、下村先生や会員の皆さんのにこやかな顔を見て、心から安堵しました。
話によりますと、私の姿が見えないので京都駅からここまで、 ゆっくりゆっくり時間をかけて心配しながら来て下さったそうです。
会員の皆さんも、私の事を少しも悪気に取られている様子もなく、 暖かく見て頂き感謝の気持ちで一杯になりました。
下村先生もどんなにかハラハラドキドキされて居られたかと考えますと引率して頂く御苦労を、 本当に有難く思いました。 京都から帰って数日後、ラジオから宝鏡寺の人形特別展から30周年にあたる今年、 創作人形を広く一般より募集していますという放送が聞こえて来ました。
人形の寺「宝鏡寺」で見かけた古い由緒ある昔なつかしい人形の数々が思い出されました。